枕に触れたときの感覚。枕をつけたときの感触。寝返りの打ちやすさ。朝目覚めたときの心地よさ。工房枕の森は、枕を眠りの一つの「道具」としてではなく、健康を支える人生の大切な「パートナー」として、枕の存在(あり方)を考えます。
寝心地に関わるすべてにこだわり、機械による大量生産はしておりません。すべて職人が手をかけ
ひとつ一つ丁寧に仕立ててまいります。工房枕の森が枕づくりにこだわっていること・・・・・。
1)お客様との対話を大切に、一点一点職人の手仕事(日本製)
工房枕の森は、いつもお客様との対話を大事にしています。人は皆、顔かたちも違えば人の好みも十人十色、心地よいと感じる枕もさまざまです。枕をお使いいただくその方に少しでも心地よい眠りをご提供できるよう、お客様には日々の睡眠やお身体の具合い、お使いいただいている寝具についてなど、枕づくりに必要な事柄を少し細かく伺っております。そして枕は事前にご記入いただく「お客様データ」とお話に基づき、お一人おひとりに合わせて一点一点丁寧に職人の手仕事にこだわりお作りしています。
2)弊社独自の枕内部構造(特許取得)と 枕の形状
私たちの睡眠中に起こる寝返りやさまざまな寝姿勢。大切なのはそれに対応できる枕でありながら、首や肩に負担がかからずぐっすり眠れる枕でないといけません。
だからこそ弊社は「枕の土台=枕の内部構造」に一番こだわりました。
◎枕の内部構造(弊社オリジナル)
「枕は、頭を支えるものではなく、首元(頚椎)を支えるもの」
弊社の枕はこの発想をもとに作られています。布でしきる一つ一つの升(ます)と数十箇所のポイントを糸と布でつなぎ合わせる構造は、独自開発によるオリジナルの枕内部構造 (特許取得)です。
頚椎の支え、頭部のしずみ、中材の流動性を考慮し、内部の糸は張りやゆるみを程よく効かせながら、一つ一つ微妙に長さを違えて調整しています。この繊細なほどこしが首元の沈みをおぎない、頚椎と頭部への負担をやわらげ、中材のしなやかな動きと寝心地の差となって現れます。
◎枕の形状
枕の形は、寝返りに十分な横幅、奥行きは浅く、首元には丸みをもたせ、頭部の先にかけて緩やかな傾斜をほどこしています。この形状は内部構造の機能を十分に活かすために研究開発いたしました。奥行きが浅いため、頭が下がってしまうのでは?と思われがちですが、頭部はのけぞることなくきちんと支えられます。またご使用いただく向きは一方のみです。丸みのあるカーブの方を手前に向けて首元にあてます。枕の裏側や傾斜部分はご使用いただけません。それだけ頚椎の支えにこだわりました。首元から頭部にかけて無理のない姿勢(自然体)でゆったりと身体が預けられます。
この独特な形状と内部の構造により、寝返り時、中材は首と肩の隙間へスムーズに移動し、頚椎を程よい高さでしっかりと支え、頭部をやさしく包みます。弊社の枕は、“自分が枕に合わせるのではなく、枕が自分に合ってくれる” そんな寝姿勢に合わせて自然と首元に沿い整う枕です。
枕は、丸みのあるカーブの方を手前に向けて、肩にピタッと引き寄せてお使いください。
※『枕.七ツ星』の内部構造は、中材に天然毛「馬毛」素材を使用しているため、素材の特性を最大限に生かす特別な製法で構築しています。
3)弊社オリジナル布地
枕の側地は弊社で織り柄をデザインし、国内の機屋さんで丁寧に織っていただいております。農薬や化学肥料、化学薬品などを使わずに大事に育てられたオーガニックコットンをベースに自然素材ですので安心してお使いいただけます。環境にもやさしい素材です。
富士山生地 / 綿77%(オーガニックコットン45%、リサイクルコットン32%)、リネン23%
織物の産地として歴史ある山梨県富士吉田市の機屋さんで織っていただいております。質感と織柄にこだわり、オーガニックコットンにリサイクルコットンとリネンを織り交ぜ、爽やかな質感と柔らかさを共に感じられる風合いに仕上げました。リサイクルコットンは国内の紡績工場さんで糸を紡ぐときに自然と落ちてしまう<落ち綿>を再び糸へと再生してできた糸のことで、今回交えて織ることで質感に柔らかさを与えてくれました。また織り柄はこれまで弊社が長く想い描いて参りました、日本を代表する「和の枕(わのまくら)」。こちらをイメージして日本を象徴する富士山をモチーフにした柄をジャガード織りで、その周囲に複数の織り組織を組み入れ表情豊かに織り上げました。自然素材ならでは通気性も大変良く、全体にやさしい生成りの色合いで富士山の柄を美しく上品な印象に仕上げております。(弊社ロゴマーク入り)
パイル / オーガニックコットン100%
(2022年秋より、生成り→淡いグレー色に変更になりました)
愛媛県今治市の機屋さんでやさしく丁寧に織っていただいております。リバーシブル仕様で、片面はベルベット調に仕上げなめらかで柔らかな肌触りに。もう片面は、吸水性のよいループを活かしたパイル織りです。ふっくらと優しい風合いのパイル地に織り上げております。(弊社ロゴマーク入り)
※オーガニックコットンは手摘みで原綿を収穫後、漂白などの化学処理を一切しておりませんので、綿の茎や葉が布地に残ったまま黒い斑点として見えています。お体には害はありませんのでご安心ください。
※弊社が扱うオーガニックコットンは、日本オーガニックコットン協会(JOCA) および NOC日本オーガニックコットン流通機構、共にそれぞれ厳しい品質基準をクリアした安心なコットンです。
4)九州京築産「天然楠チップ」
楠チップは、寝心地の硬さに影響しないよう、
ごく少量を枕にブレンドしています。
九州京築産の天然楠を使用しています。枕がお手元に届くときは楠の香りが放ちます。しかし天然木ですので、その香りは枕をお使い始めてから2、3週間ほどで徐々に薄れてまいります。枕の中で微量に残った楠の香りは、防虫効果と木は調湿作用の働きをしてくれます。あえて手を加えず自然そのものの楠の木にこだわりました。(合成香料一切不使用)
※[クスノキ]は日本でも九州・四国など温暖地に多く自生し
“香りの木”とも呼ばれ防虫効果として大変優れる常緑樹です。現代でも防虫剤、建築材としての利用のほかに、樟脳を精製したものは医薬品などにも使われています。メンソールのようなスッとした爽やかな香りが特徴です。
※香りが苦手の方や敏感な方は、楠チップを入れずに枕をお作りすることもお受けしています。
5)枕の中素材(パイプ素材と馬毛素材)
枕に使用する中材は、極力お身体への負担がかかりにくい素材を厳選しています。人工素材ではありますが、埃や虫の心配もなく通気性に優れる「パイプ」素材と、絶妙な弾力性と吸・放湿性の高さが際立つ天然100%の「馬毛」素材をご用意しています。
◎「パイプ」素材
備長炭パイプ
<特徴>
粉末の備長炭を配合したポリエチレンパイプ。備長炭の性質上、消臭・除湿・遠赤外線効果などが期待されると言われています。
<使用感>
そば殻枕の感覚に近くやや硬さが感じられます。普段、少し硬めの枕に慣れていらっしゃる方におすすめです。3種類のパイプの中では、しっかりとした感触です。
トルマリンパイプ
<特徴>
粉末のトルマリンを配合したポリエチレンパイプ。トルマリンの性質上、電極の働きで空気をマイナスイオン化し、血液の浄化や精神の鎮静効果などが期待されると言われています。
<使用感>
ソフトでやさしい感触です。普段、柔らかい枕や低めの枕を好まれる方におすすめです。3種類のパイプの中では、一番あたりがやさしい感触です。
ゲルマニウムパイプ
<特徴>
粉末のゲルマニウムを配合したポリエチレンパイプ。ゲルマニウムの性質上、体内の生体電流を整え筋肉疲労の緩和や免疫向上などが期待されると言われています。
<使用感>
弾力・しなやかさ共にバランスのとれた感触です。3種類のパイプの中では、中間的な程よい硬さ柔らかさにあたります。
[ご注意]
心臓ペースメーカーを装着のお客様は、ゲルマニウム入りの枕はご遠慮ください。
◎天然毛「馬毛」素材 (『枕.七ツ星』)
<特徴>
馬毛(horse hair)の魅力は、何といっても絶妙な弾力性と吸湿性・放湿性が素晴らしく良いところです。熱のこもり、汗や湿気をとばす力は、動物の毛の中では群を抜き、ヨーロッパでは昔から高級寝具素材の一つとしてベッドマットレスに、高級車のシートにも使われるほど通気性や耐久性にも優れています。製品には昔ながらの製法(蒸し釜)で時間をかけて蒸し、ゆっくりと自然乾燥させ殺菌処理がなされた馬毛を使用しています。天然の抗菌効果も持ち合わせています。
<使用感>
パイプや羽毛の枕にはないしっかりとした弾力で首元と頭部を安定して支えます。吸・放湿性が高く爽やかな寝心地を保ちます。
6)高さ調整も自由自在 (側面ファスナー)
枕の高さは普段お使いの敷寝具とのバランスもございます。枕の高さをもう少し低くまたは高くと思われるときは、枕の側面に高さ調整口のファスナーをお付けしていますので、そちらからパイプ中材の量加減によりご自身でも簡単に高さ調整をしていただけます。(別途、補充用中材付き)
【調整の仕方】
枕の高さや感触は、中材のわずかな量の加減でも随分変わってまいります。調整の際は、片手に軽く1~2杯程度のごく少量ずつを目安に、数回に分けながら微調整してください。
枕の高さは高すぎても低すぎても、肩こり・首こり・寝違いなどの原因にもつながります。お届けの枕はご使用になられるお客様一人ひとりに合わせて、枕側地の容量に対し内部の糸かけ・中材の量にそれぞれ少し遊びを持たせながら調整しお作りしています。高さ調整をされる際、中材のパイプの量が枕本体に対して極端に多すぎたり少なすぎたりしますと、枕内部の糸バランスが上手く保てず、中材の流動性が鈍くなってしまうことがございます。少量ずつを目安に微調整をお願いいたします。
※パイプ中材を使用している枕は、別途、補充用のパイプ素材を付けてお届けしています。保管していただき必要なときにご使用ください。
7)枕に「防災用ホイッスル」付き! 緊急!防災対策まくら
たびたび起こる地震や災害、寝ているときにもし突然地震に遭遇したら・・・。そんな深夜の万一の緊急時に備えて、弊社は枕の側面ファスナーの内側にポケットスペースを設け、そこに【小さなケースと防災用の笛】をセットしてお届けしています。ケースには自分の居場所を知らせることができる「笛」、慌てるとなかなか思い出せない家族の携帯番号や緊急連絡先、服用中のお薬の名前など大切なメモやコピーが保管できます。ビニール製で濡れても大丈夫。持ちだすこともできます。いざという時、枕を抱えて身を守る!寝ている時こそ備えが肝心!緊急時に役立つ枕です。
※笛とケースはお写真のデザインと異なるもの、また製造状況によりましてはご用意できない場合もございます。予め、ご了承ください。
8)お手入れ(本体側地と中材は別々に)
(※『枕.七ツ星』を除く)
枕はいつも清潔でありたいもの。日頃のお手入れは、枕カバーをこまめにお取り替えいただくことをおすすめしております。枕内部の構造上、お洗濯(枕内部をお水にさらすこと)はできるだけご遠慮いただきたいのですが、どうしても汚れが気になる場合は、側地をお洗濯していただくことも可能です。しかし枕内部には沢山の糸を掛け合わせておりますので、枕本体をそのまま丸洗いすることはできません。お手数ですが、パイプ中材をすべて取り出してから、側地だけをやさしく手洗いしていただきますようお願いいたします。
枕本体(側地)のお手入れ
1)枕の側面ファスナーから、パイプ中材をすべて取り出します。(内部の糸は取り出せません)
2)(内部に糸が付いた状態のまま)、そのままやさしく手洗いしてください。
3)すすぎが十分に終えたら、軽くしぼり、タオルでしっかりと水気をとります。
(強くしぼると、内部の糸が切れることもございます。また脱水機のご使用はご遠慮ください。)
4)干すときは形を整えてから、日陰の風通しの良い状態でしっかりと乾かしてください。
(布地が重なった部分は乾きにくいので、十分に乾かしていただくことをおすすめいたします。)
5)乾いた側地の中にパイプ中材を入れ、形を整えます。
※パイプ中材を枕に入れるとき、厚紙を丸めて筒状にしたものを枕の側面ファスナーの口に差してい
ただきますとパイプが入れやすくなります。枕の傾斜部分はパイプが入りにくいため、パイプを枕
の3分の2程度の量を入れていただいたところで一度ファスナーを閉じます。そして枕の上に手を
のせ、傾斜部分へパイプの移動を促すように枕の上を軽くゆすっていただきますとパイプが少しず
つ傾斜の奥の方へ入ってゆきます。残りの量を入れていただきましたら全体に馴染ませて下さい。
※もしもパイプ中材を洗う場合は、市販の洗濯ネットに入れていただき、洗剤は使わず、軽く水洗い
してください。広い場所で十分に広げて完全に乾かしてください。
洗濯機や乾燥機のご使用はお避け下さい。万が一、洗濯槽の中にパイプがこぼれますと故障の原因
につながります。
【使用上の注意】
・お洗濯後、多少生地の縮みや形状変化(型崩れ)が生じる場合がございます。
・洗濯機や乾燥機は、内部の構造に支障がでる場合がございますので、ご使用はご遠慮ください。
・オーガニックコットンの風合いを保つため、漂白剤や蛍光剤、柔軟剤などが含まれていない無添加
の洗剤・石っけんのご使用をおすすめいたします。
・オーガニックコットンは、直射日光のもとでは白く変色する場合がございますので、陰干しをおす
すめいたします。
・北欧生地でお作りしている枕は、色落ちや縮みを防ぐため、生地を裁断する前に地直し(湯通し)
という工程を施しておりますが、稀に他の製品に色移りする場合がございます。色味の強い柄生地
のため、他の衣類とは別にお取り扱いいただきますことをおすすめいたします。
・『枕.七ツ星』は、特別な製法と中材に天然毛「馬毛」素材を使用しているため、お洗濯はできま
せん。日頃のお手入れは特別必要ございませんが、たまに風通しの良いところで陰干しをしていた
だければ十分です。